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海外の空港でターンテーブルの前に立ち、最後の荷物が流れ終わっても自分のスーツケースが出てきません。旅好きなら一度は想像してしまう場面ですよね。いざそうなったとき、何を先にすればいいのか分からないと、焦っているうちに空港を出てしまうこともあります。
この記事では、ロストバゲージに気づいたときの手順を順に見ていきましょう。届出の期限、航空会社の賠償の上限、海外旅行保険でどこまで補えるかも、数字を確かめながらまとめています。旅の前に一度読んでおくと、もしものときに落ち着いて動けるはずです。
荷物が出てこないと気づいたら、空港を出る前にすること
ロストバゲージの対応で一番大切なのは、空港を出る前に航空会社へ申し出ることです。スペインの航空安全庁(AESA)の旅行者向けガイドでも、荷物の遅延や紛失に気づいたら、空港を離れる前に航空会社のカウンターに届け出るよう強く勧めています。ここでは、到着空港でやることを2つに分けて見ていきます。
手荷物事故報告書(PIR)を作って、照会番号を受け取る
荷物が出てこなかったら、まず到着した航空会社の手荷物カウンター(バゲージサービス)に向かいます。ここで作ってもらうのが「手荷物事故報告書」、英語でProperty Irregularity Report、略してPIRと呼ばれる書類です。エールフランスの日本語ページには、空港を離れる前に必ずPIRに記入する必要があり、申告の最後に書類番号が付与されると書かれています。
この番号は、その後の捜索状況を確かめるときの鍵になります。JALの手荷物検索サービスでは、照会番号とお客さまの名前を入れると荷物の状況を見られるようになっていて、照会番号は英数字10桁で、手荷物合符(預けたときにもらう半券)の番号とは違うという説明です。控えは写真に撮っておくなど、なくさない工夫をしておきたいですね。JALの約款の第11条では、手荷物合符を出せない場合でも、手荷物切符を見せたうえで荷物をほかの方法で特定できれば、引き渡しを受けられるとされています。
カウンターで聞かれることが多いのは、乗ってきた便名、手荷物合符の番号、スーツケースの色や形、メーカー、中に入っているもの、滞在先の住所と連絡先です。荷物が見つかったら届けてもらう場所になるので、ホテルの名前と住所、チェックアウト日はすぐ伝えられるようにしておくと手続きがスムーズに進みます。スーツケースの写真をスマホに残しておくと、言葉で説明しにくい特徴も見せられて安心です。
AESAのガイドには、PIRがないと遅延や紛失を証明するのが非常に難しくなる、とも書かれています。多くの航空会社で、あとから補償を求めるときにPIRの提出が前提になっています。乗り継ぎの時間が気になっても、ここだけは省かずに済ませておきましょう。
カウンターで作ったPIRの内容は、多くの航空会社が使う手荷物捜索システム「WorldTracer」に登録され、世界中の空港で照会されます。手荷物の情報技術を手がけるSITAの2025年の報告書によると、2024年に世界で扱いを誤られた手荷物は3,340万個、乗客1,000人あたり6.3個でした。そのうち66%以上は48時間以内に解決していて、PIRがあればたいていは数日のうちに手元へ戻ってくる、ということも覚えておくと少し落ち着けますね。
破損や中身の不足も、受け取ったその場で伝える
荷物は出てきたけれど、キャスターが割れていた、鍵が壊れて中身が足りない、という場合も同じように空港で申し出ます。JALの国際線の案内では、到着時に破損に気づいたら空港を離れる前に空港職員へ一報するよう求めています。
ここで知っておきたいのが、何も言わずに受け取ると「良い状態で引き渡された」と推定されるルールです。JALの国際運送約款には、手荷物切符と合符の所持人が引渡しのときに書面で異議を述べないで受け取ったときは、反証がない限り良好な状態で引き渡されたものと推定する、と書かれています。モントリオール条約にもとづく決まりで、AESAのガイドでも同じことが注意されています。
空港を出てから壊れていることに気づくこともありますよね。JALの案内では、その場合は受け取りの日の翌日から数えて7日以内に到着空港へ申告するよう求めていて、8日目以降の申告は補償の対応ができないとはっきり書かれています。国際線のJAL運航便なら、専用の破損問い合わせフォームも用意されているそうです。
壊れた部分は、受け取った直後の状態で写真に残しておくと説明しやすくなり、JALは補償の対応のために、手荷物の購入日や金額が分かる資料を求めることがあるとも書いています。高かったスーツケースなら、購入時のレシートやメールを旅の前に探しておくと、いざというときに慌てずにすみます。
SITAの同じ報告書では、扱いを誤られた手荷物のうち、破損や中身の抜き取りが18%を占め、前の年の15%から増えていました。紛失だけでなく、壊れて出てくることも珍しくないということです。モントリオール条約の第31条でも、受け取ったときに異議を述べなければ良い状態で引き渡されたと推定されること、そして苦情は書面で出さなければならないことが定められています。出発前にスーツケースの外観を写真に撮っておくと、もとからあった傷との区別がつきやすくなりますよ。JALの国際運送約款の第18条には、受託手荷物に入っていた物の損害が、その物の固有の欠陥や性質から生じたものなら、会社は責任を負わないという定めもあります。また第11条では、通常の取扱いに耐えられるようスーツケースなどで適切に梱包されていない荷物は、受託手荷物としての運送を断ることがあるとされています。
届出の期限と、航空会社が賠償してくれる範囲
空港での手続きが終わったら、次は航空会社への正式な申告と、見つからなかったときの賠償です。国際線では、モントリオール条約と各社の運送約款によって期限や上限が決まっています。日付を数え間違えると補償を受けられなくなることもあるので、数字はしっかり押さえておきましょう。
7日と21日、2つの期限を覚えておく
JALの国際運送約款の第19条では、損害賠償を求めるための異議の期限を次のように定めています。毀損(破損)があった場合は発見後すぐに、遅くとも受け取りの日から7日以内。延着(遅れて届いた)場合は受け取った日から21日以内、紛失の場合は受け取ることができたであろう日から21日以内です。異議は書面で、期間内に発送しなければならないとされています。
ANAの国際線の案内でも、未着・紛失の申告期限は「ご到着日翌日から21日以内」となっています。申告は、ウェブの未着申請フォームから自分で出すか、到着地の空港で係員に伝えるかのどちらかです。KLMの責任に関する案内にも、受託手荷物の破損は7日以内、遅延は21日以内に書面で苦情を出す必要があると書かれていて、どの会社でも7日と21日が基準になっていることが分かります。
もう1つ覚えておきたいのが、21日という日数の意味です。モントリオール条約の第17条では、航空会社が紛失を認めた場合や、届くはずだった日から21日たっても受託手荷物が届かない場合に、旅客は運送契約にもとづく権利を行使できると定めています。つまり21日は、「遅れている荷物」が「なくなった荷物」として扱われる目安でもあるわけです。
話し合いでまとまらなかった場合の訴えにも期限があります。JALの約款では、到達地に着いた日などから2年以内に提起しなければならないとされていて、AESAのガイドも2年という期間を紹介しています。そこまで進むことはめったにありませんが、やり取りのメールや書類は旅のあとも残しておくと安心です。
数え方には少し注意が必要です。JALの約款は「受け取った日から」、ANAの案内は「到着日翌日から21日以内」と書き方が違います。たとえばANAの書き方なら、10月1日に着いた場合は10月22日が期限になる計算です。迷ったら早いほうの日付を締め切りと考えておけば安全ですね。なお、JALの約款の第1条では、「日」は暦日のことで、すべての曜日を含むと定義されています。土日や祝日をはさんでも期限は延びないので、週末に旅行が終わる場合はとくに注意が必要です。モントリオール条約の第31条は、期限内に異議を述べなかった場合、運送人に詐欺がある場合を除いて訴えを起こせないと定めています。
賠償の上限は1人1,519SDR、高価品は預けない
捜索しても荷物が見つからなかった場合、航空会社から賠償を受けることになります。JALの国際線の案内では、一カ月ほど捜索しても見つからない場合に賠償の案内をし、到着後30日〜45日をめどに国際運送約款に沿って賠償すると説明されています。希望すれば最長100日まで捜索期間を延ばせるそうです。ANAも、到着後または未着の申告から30日〜45日目以降に約款に沿って賠償するとしています。
金額には上限があります。JALの約款では、モントリオール条約が適用される運送の場合、手荷物の責任限度は旅客1人あたり1,519SDRです。SDRは国際通貨基金(IMF)が定める特別引出権という単位で、円に直した額は為替で変わります。旅行保険会社の解説では、2026年5月1日時点のレートで約32万6,790円と計算されていました。KLMの案内によると、この金額は2024年12月の改定で引き上げられたものです。
ただし、上限までもらえるわけではありません。JALの約款は、責任は旅客が受けた実損額を超えず、損害額は旅客が証明しなければならないと定めています。エールフランスの案内でも、紛失申告のときに中身の価値をできるだけ詳しく申告し、領収書などの証明書類を出すよう求める内容です。
上限を超えそうな荷物を預けるときは、チェックインの際に価額を申告して従価料金を払う方法があります。JALの約款では、超過価額100米ドルごとに2米ドルで、申告額は1人5,000米ドルが上限です。そもそもJALは、貨幣、宝石類、貴金属、有価証券などの高価品やパスポートなどの書類を受託手荷物として受け付けないと定めています。ノートパソコンなどの電子機器もできるだけ機内に持ち込むよう案内されているので、大切なものは手元のバッグに入れておくのが基本ですね。
この1,519SDRという額は、2024年12月28日に1,288SDRから引き上げられたものです。モントリオール条約では、物価の動きに合わせて責任限度額をおよそ5年ごとに見直す仕組みになっていて、古い記事に1,288SDRと書かれているのはそのためです。
複数の航空会社を乗り継いだ旅程の場合も、確認しておきましょう。モントリオール条約の第36条では、手荷物について、最初の運送人と最後の運送人、そして事故が起きた区間を運んだ運送人に対して請求できると定められています。実際の窓口は到着した空港の航空会社になることが多いので、迷ったら最後に乗った便の会社のカウンターでPIRを作りましょう。
荷物が届くまでの数日をどう過ごす?費用と保険の話
ロストバゲージの多くは、数日遅れて荷物が届く「遅延」です。その間の着替えや洗面用具は、現地で買うしかありませんよね。ここでは、航空会社が払ってくれる場合がある費用と、海外旅行保険の「航空機寄託手荷物遅延費用」の中身を見ていきます。
当座の生活必需品は、レシートを残して請求する
エールフランスの日本語ページには、手荷物の到着が遅れた場合、当座の衛生用品や替えの衣類など、遅延に直接関係する生活必需品の購入費用は払い戻しの対象になる場合がある、と書かれています。審査で考慮されるのは、旅行の期間と目的、最終目的地の気候、遅延した期間、買ったものの必要性の4点です。請求は、荷物が実際に手元に届いた日から21日以内に、オンラインのフォームから行うと案内されています。
ここで大事なのは、「必要なもの」を「必要な分だけ」買うという考え方です。歯ブラシや下着、1日分の着替えは認められやすい一方で、届くまでの間に旅行を楽しむための品物は、必要性の説明が難しくなります。寒い国に着いたのに上着がスーツケースの中だった、という場合は、気候が考慮される点が意味を持ってきそうです。
レシートは、店ごとに日付と品目が分かる形で残しておきましょう。外国語のレシートでも、何を買ったのかメモを添えておくと請求のときに説明しやすくなります。カード払いにしておくと、利用明細も購入の証拠として使えるので安心です。
なお、こうした購入費用の払い戻しの扱いは航空会社によって違います。日本の航空会社の公式ページには、遅延中の購入費用についての具体的な基準までは書かれていません。現地のカウンターでPIRを作るときに、「必要なものを買った場合はどうなりますか」と一言聞いておくのがいちばん確実です。
こうした費用の根拠になっているのが、モントリオール条約の第19条です。運送人は旅客や手荷物の延着から生じた損害について責任を負い、損害を避けるために合理的に必要な措置をすべてとったこと、またはとれなかったことを証明した場合にだけ責任を免れる、と定められています。遅延で必要になった買い物の費用は、この「延着による損害」にあたるという考え方です。一方で、JALの約款の第18条には、運送から生じた間接損害や特別損害については、会社がその発生を予知していたかどうかにかかわらず責任を負わない、とも書かれています。荷物が届かないために参加できなかったツアーの代金のような損害は、補償の対象になりにくいと考えておいたほうがよさそうです。ただし、こちらも1,519SDRの上限の中で扱われるので、買い物の額が大きくなるほど認められにくくなると考えておきましょう。
海外旅行保険の「寄託手荷物遅延費用」の条件
航空会社とは別に頼りになるのが、海外旅行保険の手荷物遅延の補償です。三井住友海上の「ネットde保険@とらべる」の案内では、乗った航空便が目的地に着いてから6時間以内に預けた手荷物が運ばれてこなかったために、目的地で衣類や生活必需品を買ったりレンタルしたりした場合に保険金を払うとしています。対象になるのは、到着後96時間以内で、かつ荷物が届くまでの間に負担した費用です。
対象の費用は、下着や寝間着などの必要不可欠な衣類、生活必需品、それ以外にやむを得ず必要になった身の回り品の3つで、1回の遅延につき10万円が限度でした。損保ジャパンの「off!」も同じく6時間・96時間の条件で、1回の事故につき10万円が限度です。損保ジャパンの案内では、荷物が届いたあとの費用や、自宅に帰ってから買ったものは対象外とされています。
損保ジャパンのページには、シンガポールで乗り継いだらスーツケースが届かず、3日後に受け取るまでに歯ブラシやTシャツ、下着などを買ったケースで、17,940円を支払った事例が載っています。数日分の身の回り品だと、このくらいの金額になることもあるわけですね。
注意したいのは、保険によって補償の形が違うことです。クレジットカードに付いている保険も含めて、自分の保険にこの補償があるか、いくらまでかを出発前に確かめておくと安心です。複数の保険に入っていても、同じ費用が重ねて支払われないことがあると三井住友海上も注意しています。
保険金を請求するときは、航空会社が発行したPIRの控えや、手荷物の遅延を証明する書類、買い物のレシートが求められるのが一般的です。空港でPIRの控えを受け取り損ねると、保険の請求にも響くので注意してくださいね。三井住友海上の補償内容のページでは、保険金の請求の相談先「三井住友海上ライン」の番号が、海外からかける場合(81-3-3497-0915、コレクトコール)と国内からかける場合(0120-365-240、年中無休)に分けて載っています。旅先で荷物が届かないときにすぐ相談できるよう、自分が入る保険の請求窓口の番号は出発前にスマホへ控えておきましょう。
ロストバゲージに備えて、出発前にしておく準備
ロストバゲージは自分ではどうにもできない部分が大きいトラブルですが、起きたときの困りごとを小さくする準備はできます。Xでも、言葉があまり通じない国で初めて荷物が届かず、いつ届くのか分からないまま不安な日々を過ごした人が、原因はおそらく空港での乗り換え時間が短すぎたことだろう、と振り返る投稿があります(Xの投稿)。最後に、出発前にできることをまとめます。
Xに寄せられた声と、荷物を見つけてもらいやすくする工夫
Xでは、旅行客がAirTagを使って自分のロストバゲージを追跡したというニュースを紹介する投稿(Xの投稿)があります。また、以前の旅で付いた空港のタグについて、剥がさないとロストバゲージの原因になりやすいようなので、これからは剥がすに越したことはないと返信している人もいます(Xの投稿)。
古いタグが付いたままだと読み取りの邪魔になるおそれがあるので、出発前に外しておくのは手軽な対策になりそうです。バーコードの付いた小さなシールが本体に残っていることもあるので、あわせて見ておきましょう。こうした原因の話は個人の経験や推測なので、すべての場合に当てはまるわけではありません。
最近はAppleのAirTagのような追跡タグを入れている人も多いですよね。エールフランスの案内では、「探す」アプリで紛失モードを有効にし、「この持ち物を共有」機能で位置情報のリンクを作って、紛失を申告するときに伝える方法が紹介されていました。ただし、タグで空港にあると分かっても、税関などの手続きがあるため勝手に取りに行かず、連絡を待つよう書かれています。
JALの約款では、受託手荷物に名前や頭文字など持ち主が分かるものが付いていない場合は、預ける前に付けなければならないとされています。ネームタグに加えて、スーツケースの中にも名前と連絡先、旅程を書いた紙を入れておくと、外のタグが取れてしまったときにも持ち主を探してもらいやすくなりますよ。同じ約款の第11条によると、受託手荷物はできる限り旅客が乗る飛行機で一緒に運ばれますが、会社が難しいと判断した場合は、余裕のある別の便や、ほかの輸送機関で運ぶことがあるとされています。
SITAの報告書では、2024年に遅れた手荷物の41%が乗り継ぎのときの扱いの誤りによるものでした。同じ報告書によると、2024年に遅延や紛失などの扱いの誤りがあった手荷物は、乗客1,000人あたり6.3個でした。また、2024年にはAppleの「持ち物の位置情報を共有」機能がSITAのWorldTracerと連携し、AirTagの位置を航空会社と共有できるようになったことも紹介されています。報告書では、リアルタイムで手荷物を追跡している乗客は42%にのぼるとされています。
機内持ち込みのバッグに、1日分の着替えと必需品を
もう1つの備えは、荷物が届かなくても1日か2日は過ごせるよう、手元のバッグを整えておくことです。保険の手荷物遅延の補償があっても、到着した夜にお店が開いていなければ買い物はできません。下着と靴下、Tシャツを1組ずつ、歯ブラシや洗顔料などの小さな洗面用具、充電ケーブルを機内持ち込みのバッグに入れておくと、その日の夜をなんとか乗り切れます。JALの国際運送約款の第11条では、客室に持ち込める手荷物は、身の回りの物1個のほかに、三辺の和が115cm以内で収納棚か前の座席の下に入る物1個までで、2つ合わせて10kgを超えないこととされています。
毎日飲んでいる薬やコンタクトレンズも、必ず手元に入れておきたいものです。現地ですぐに同じものを手に入れられるとは限りませんし、保険の補償があっても困るのはその瞬間ですからね。液体を持ち込むときは容器と袋の決まりがあるので、そちらもあわせて確認しておきましょう。
家族やグループで旅行するときは、全員の着替えを少しずつ分けて、それぞれのスーツケースに入れておく方法もあります。1つのスーツケースが届かなくても、全員の着替えがなくなる事態を避けられます。乗り継ぎがある旅程なら、乗り継ぎ時間に余裕のある便を選ぶことも、自分でできる数少ない工夫の1つです。
そしてもう1つ、保険証券やカードの付帯保険の内容、スーツケースの写真、手荷物合符の写真をスマホにまとめておきましょう。必要な情報がすぐに出せれば、カウンターでの手続きも、帰国後の請求も短い時間で済みます。
国際線では、機内に持ち込める液体は100ml以下の容器に入れ、それを容量1L以下の再封できる透明なプラスチック袋にまとめる決まりがあります。化粧水やコンタクトの保存液は、小さなボトルに詰め替えておくと持ち込みやすいですよ。また、モバイルバッテリーなどの予備のリチウム電池は、そもそもスーツケースに入れて預けることができず、機内持ち込みにする必要があります。充電器まわりを手元のバッグにまとめておけば、荷物が届かなくてもスマホが使えなくなる心配は減るはずです。
常備薬は、薬の名前が分かる説明書やお薬手帳の写真も一緒に持っておくと、現地で同じ成分の薬を探すときに説明しやすくなります。
ロストバゲージの手順をおさらい
最後に、この記事で整理したロストバゲージの手順と数字を振り返ります。いざというときにすぐ見返せるよう、5つの手順にまとめました。
5つの手順と、覚えておきたい数字
1つ目は、荷物が出てこなかったら空港を出る前に航空会社の手荷物カウンターへ行き、PIR(手荷物事故報告書)を作って照会番号を受け取ることです。破損や中身の不足に気づいたときも、受け取ったその場で申し出ます。何も言わずに受け取ると、良い状態で引き渡されたと推定されてしまいます。
2つ目は、申告の期限を守ることです。国際線では、破損は受け取りから7日以内、遅延は受け取った日から21日以内、紛失は受け取れたはずの日から21日以内に書面で申告します。届くはずの日から21日たっても荷物が来なければ、紛失として扱われる目安になります。
3つ目は、当座の生活必需品を買ったらレシートを残すことです。航空会社によっては遅延に直接関係する購入費用を払い戻してくれますし、海外旅行保険の手荷物遅延の補償では、到着から6時間以内に届かなかった場合に、96時間以内に買った衣類や生活必需品の費用が10万円などの限度で支払われます。
4つ目は、見つからなかった場合の賠償の上限を知っておくことです。モントリオール条約が適用される国際線では、旅客1人あたり1,519SDRが上限で、実際の損害額を証明する必要があります。JALの案内では、到着後30日〜45日をめどに賠償の手続きが進みます。高価品や貴重品はそもそも預けないのが基本です。
5つ目は、出発前の準備です。古いバゲージタグを外し、名前と連絡先を外と中の両方に付け、機内持ち込みのバッグに1日分の着替えと薬を入れておきましょう。保険の補償内容とスーツケースの写真をスマホにまとめておくと、もしものときにも落ち着いて対応できますよ。